京丹波 松穂農園日記

京丹波 松穂農園での栽培記録を中心としたブログです。それぞれの作物をどのように栽培しているかを発信しています。

カテゴリ:農業よもやま > 就農希望の皆さんへ

今日も農作業はブロッコリーの収穫と出荷だけです。
アルバイトから帰宅したころには外は日が暮れて・・・。
なんか今年もやっとここまで来たなーという感じです。
春や夏は収穫と次の作物の準備や栽培が並行して進みます。
黒豆の作業やタマネギの植付が残っていますが先が見えてきました。
もう年内は追い立てられるように過ごすことはないと思います。
夜はここ数年ほとんど見なくなっていたテレビも見たりして、なんか普通の生活です。

でもこんなこと書いてても仕方がない。
話題を変えましょう。
黒豆の枝豆の出荷を通じて感じた事シリーズ。
今日のは深刻な問題です。
それは人手不足・・・。
今年は事情があって近所の方に手伝ってもらわないことになりました。
でも「一人で」というわけにもいかずシルバーセンターにお願いをしたのですが・・・。
結論から言うと全くアサインしてもらえませんでした。

農業って、通年で人を雇用するのは厳しい産業です。
どこも繁忙期だけ働いてくれる人手を求めます。
そうしないと採算が合いません。
極端に言うと収穫時期や定植時期だけ働いてもらえる人が欲しいのです。

秋の京丹波はどこも人手が欲しい。
栗や黒豆の枝豆。
人手が欲しいのはどこも同じで重なります。

自分で農園をやるようになる前は農業生産法人の管理者で、人手を何とかするのは私の仕事でした。
そのころも苦労しましたが、思っていたよりも早く深刻さが増してきています。
今、本当に大きな課題に直面しています。

今日は朝から確定申告の仕上げ。
まだやってなかったんか?
まあ、期日まであと2日あるし・・・。
国税庁のウェブサイトで提出書類を作成しました。

私の場合はアルバイトと兼業なので所得は以下の計算になります。
アルバイトの所得+農業の収入-農業の費用。

結果、今年の申告額は”-1,828千円”。
まあ、予定通りといえば予定通りですが、やっぱりねー。
まいなすですよ、マイナス。
アルバイトの所得を含めてですよ。

でもまあ自分でやりたいと思ってやってることです。
グダグダ言わない。
言ってはいけない。
独り言でとどめましょう!

そのあとですが、農作業のほうはちょっと一息。
春の作業の片付けをはじめました。
まずはイチジク苗の育苗をした鉢を洗浄します。
土をブラシで洗い流して乾かします。
RIMG1022
乾くのを待っている間にこんなものも洗ってしまいました。
RIMG1023
か、かっこいい!
(でしょ?)
カワサキのW650といいます。
でもバイクの洗車なんかいつぶり?
たぶん1年以上ぶりです。

めったに乗らないバイクですが、これからはちょっと出番があるかも。
このバイクすごいんです。
大型ではあるのですが、リッター30km近く走ります。
ほぼ同排気量の軽トラは13km。
軽バンに至っては10kmしか走りません。
やっぱりちょっと燃料費も節約しないと。
何せマイナス180万円ですから。
いやこれは口にしない。

せっかくなのでバイクに乗って確定申告資料を税務署に。
休日投函用のポストに入れて、遠回りして帰ってきました。

そのあと軽バンも洗車して一日が終わり。
なんか日曜日っぽい一日でした。

アルバイトに行く前の作業は事務作業。

償却資産の耐用年数や、そもそも償却処理できるか不明な出費がありました。
その辺を昨日町役場に問い合わせて回答を貰ったので、その修正作業です。
昨年度は農業収入の数倍の出費をしています。
もう数字を見ているだけで気が重くなる・・・・。

非農家出身での新規就農というと一から自分で揃えなくてはいけません。
そうなるとこんな結果になります。

(以下は京丹波町の曽根という地域で就農しようとしている私個人の経験です。)
以前も書きましたが、45歳以上の就農は役場は相手にしてくれません。
「無視」どころか「足引っ張るんか?」というような対応をしてきます。
すべて自力でやっていくしかないんです。
一定の年齢になって農業に転身を考える人は多いと思いますが、この点は覚悟が必要です。

あ、ちょっと言いすぎました。
”すべて自力”というのは”経済的には”という話です。
これもちょっと言いすぎかなー。
私の場合、地域の人たちに支えられて就農活動ができています。
例えば倉庫や苗の置き場所。
年に数回の草刈りをするだけで無償で使わせていただいています。
時には無償で作業を手伝ってもらったり。
経済的にも支えていただいています。

でもそれには条件があるように思います。
とにかく一所懸命に頑張ること。
そうしたら農村の人たちはきっと支えてくれます。

昨日まで農業の単調な側面について書かせていただきました。

で、今の私はどうかというと・・・。

実はあまり苦にならなくなってきています。
いや、やっぱり嫌なんですよ。
「あー」とか思いながら作業することがしばしばです。
でもなんというか・・・。

以前ほどではない。
慣れてきたというか、そんなこと言ってられないというか・・・。
今はそんな感じになり始めたところです。

以前に比べるとかなり少なくなっているようですが、まだ就農を希望される方は大勢います。
あくまで私の主観ですが、できるだけ現実の姿を発信しないといけません。

そこで昨日の続き、というか補足です。
今の私は「直売を主体に営農している」、「兼業農家」です。
「農協出荷を主体にしている」、「専業農家さん」とはやはり異なります。

何が違ってくるかというと”規模感”。

例えば私の場合、強いていうと多品種少量生産になると思います。
(あくまで”強いていうと”ですよ。)
栽培する作物の数量は”何千”の話です。
26年度でいうとスイートコーン3000個、ブロッコリー4000個、丹波黒は1000株。
一番多いタマネギがようやく10000個。
そんな程度です。
ところが特定の作物の産地になると、”数万”の話になります。
場合によってはもう一桁上。
作業の単調さも桁違いになります。

「単調さなんか気にならない。」と感じる方は、特化した品目で大規模を目指すのが良いと思います。
経営の効率はこの方がいい。
専用の機械に投資ができます。

そうでない人は多品種少量生産のほうが向くように思います。
作物ごとに機械を買うなんて投資が膨大になり回収が難しい。
でも効率が悪い半面、単調な時間が少なく、自然災害のリスクも分散できます。

↑このページのトップヘ