タイトルにも書いた「単調」というのはこれから農業を志す人にとってキーワードです。
私も会社を辞めてこの産業に飛び込んだわけですが、驚いたことのひとつがこの「単調さ」。

一昨年まで勤務していた農業生産法人で農業志望の方に必ず言っていたことがあります。
「作業は単調ですよ。」
農業体験やインターンシップを受け入れるときも必ず単調な作業をしてもらうようにしていました。

私のように直売所で売ったり、レストランに卸したりが中心の農家にとっては、商品を企画するところから始まります。
どういう作物を、どのように栽培して、何をアピールして売っていくか。
あれこれ情報収集して進めていきます。
これはいわゆる「楽しい作業」。

そして次の段階が栽培という作業になります。
栽培というのは天候、畑の状態、作物の状態、病害虫の発生状況などを考えながら作業を組み立てていきます。
この”作業を組み立てる”というのは生産者の腕の見せ所です。
これもやっぱり「楽しい作業」。

ところがいざ作業を始めるとこれが一変します。
直面するのが”単調”です。
例えば私は11月初旬から今日まで 正月休みを除いて毎日ブロッコリーを収穫しています。
毎日毎日同じ作業です。

昨日から始めたイチジク畑の支柱打ち。
技術も何もない。
2m間隔でひたすら支柱を打つだけ。
もう単調そのものです。
避けては通れません。
「暑い」「寒い」「重労働」とかは知ったうえで農業を志すのだと思います。
でも「単調」というのは、あまり言われていません。
私は新規就農者です。
「偉そうに言うな。」 とか言われそうですが、大事なことなので言います。
これから農業を志す方には知っておいて欲しい。
というか、覚悟しておいて欲しい。
「単調」。
これに耐えられない人は挫折します。