京丹波 松穂農園日記

京丹波 松穂農園での栽培記録を中心としたブログです。それぞれの作物をどのように栽培しているかを発信しています。

終わりました!
今春の苗の植付は完了です。
すっからかーん、です。
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果樹の苗は春に根が動き出す前に植えるというのが鉄則です。
で、目標は3月20日頃ということになりますが、間に合いました。
やっぱり、先週末にブドウ園の植付を終わらせることができたのが良かったです。
明日から少しゆっくりできます。
今日植えたイチジクは「ヨルダン」と「ドーフィン」の2品種。

ヨルダン
これも昨日の「カリフォルニアブラック」と同じ。
苗屋さんで試食して気に入り、栽培してみることにしました。
ただ、自分でも怪しいところがあります。
試食では片っ端から食べていったのですが、最初に食べたのがヨルダンだったんです。
そりゃあ樹上で完熟したイチジクを1年ぶりに食べたんですから美味しく感じるのは当然といえば当然で。
あと、この苗屋さんでも最近導入した品種のようです。
なのでまだ詳しいことがわからなかったり。
でもまあ、美味しいと感じたんだからやってみましょう!

ドーフィン
これが日本の市場を90%占めているとか言われている品種です。
でも専門書を読むと、品質的な評価はあまりよろしくない。
じゃあなんでそういう品種がそこまでのシェアを持つのか?
この品種の有利な点は以下です。

・大きい
・皮がごつくて輸送に強い
・わりと日持ちがする

果物とかはキロいくらで取引されるので大きいのは有利です。
(一つの果実を収穫するまでにかかる手間は、実が大きくても小さくても同じなので。)
あと一般の流通を考えると、遠方から輸送したり、収穫してからスーパー等の店頭に並ぶまで何日もかかることを考えると皮がごついとか日持ちがするというのも有利です。
でもあまり美味しくないんじゃあ・・・。
私が育てる品種は皮ごと食べるのが当たりまえです。
皮は薄くて柔らかい。
何度か噛んだら溶けてしまいます。
渋みとか口に残る感じなんか全くない。
そして甘い。
こういうイチジクを育てて、食べてもらうためにはじめています。
なので私にはあまり魅力のない品種です。

じゃあ、なんで植えたの?というところですよねー。
単に比較対象の材料が欲しかったのです。
イチジクについて色々な情報がありますが、さすがにこれだけシェアがあるとほとんどがドーフィンベースの情報ばかりです。
何か問題に直面したときに自分の栽培の仕方が悪いのか、ただの品種の問題なのかがわからない。
そこがわかるようにするための比較ができるように栽培することにしました。
でも穫れたものは売りますよ。
しっかりと樹の上で完熟させて。
一般に売られているものとは全然違う味ですので。

今日はアルバイトが休みです。
で、少し雑務をしたあと 機械類のチェック。
冬の間も動かしていた機械はありますが、冬眠中の機械も。
使おうと思ったときに使えないのは無駄があるというか、やるべき作業ができなくなるのが怖い。
一通りエンジンをかけて、正常に動くか確認しました。
結果、すべてOK。
そのうちの一つ、背負い式の動力噴霧器を持ってタマネギ畑へ。
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タマネギはこの時期が最後の追肥の時期です。
本を読むとおおかたこの時期に最後の肥料をやるように書かれています。
この先に肥料をやると球は大きくなるのですが、腐りやすくなるそうです。
タマネギは5月か6月に収穫した後は干して乾燥させながら秋まで販売します。
ところが肥料が遅効きしたら、秋まで待たずに腐ってしまうそうです。
なので肥大が始まる前の今頃が最後の追肥の時期になります。

ところが、ところがです。
京丹波町の人は、追肥は2月の1回だけといいます。
2回やると大きくなりすぎるとか・・・。

悩みましたが成長が良くない株だけに液肥をやることにしました。
液肥は固形の肥料に比べて効きは早いのですが、長く続かないのが特徴です。
ちょうどいいじゃないですか、ということになりました。
14時までかかって追肥は完了です。
あとは消毒をしたら、草の管理をしながら収穫を待つのみです。

遅めの昼食の後はやはりイチジクの植付です。

昨日のバローネが終わり、カリフォルニアブラックとビオレソリエスまで植え付けができました。

カリフォルニアブラック。
なんか名前で損している気がする品種です。
さらに京丹波町でやるとなると・・・。
でもなぜ栽培することにしたかというと、単純に美味しいと思ったからです。
苗の購入前に岡山の種苗会社に行き、片っ端から試食させてもらいました。
その中で、これ美味しいと思ったのですが、なんか普通のイチジクとは食感が違います。
名前から.分かる通りで耐寒性はあまり高くないようですが、まずは栽培してみます。

ビオレソリエス。
数年前にこの品種を栽培している農家さんがNHKで紹介されていました。
国内で栽培している農家さんの数が非常に少なく、かなりレア。
味も美味しい。
おまけにテレビで紹介されたので、知る人ぞ知る人気品種です。
問題は熟期の遅さ。
他の品種に比べて、熟すのが遅いのです。
穫れだしたらすぐに寒さがきて収穫終了になると思います。
でも京丹波町の人や、京丹波町まで足を運んで下さった方に少しでも喜んでもらえると思い栽培することにしました。

植え付けも残すところあとイチジクの2品種のみです。
うまくいけば明日。
悪くても明後日の朝には作業が終わります。
とにかくやり切ります。

朝の作業は夜の作業準備で土を作ったり鉢に詰めたり。
少し明るくなったところでブドウ園に水やりに行きました。
ブドウ園は造成したばかりということで、重機でしめたりしたばかりです。
草も生えておらず、水はけは一番良くない状態。
なので苗の植付も少し土を盛って高めに植え付けています。
これで過湿になる心配はないのですが、逆に乾燥しやすい状態になります。
今日は気温が上がりそうな予報。
最近は雨が遠ざかっているのもあり、水やりです。
今年はこの先どんな天候かわかりませんが、この水やりというのはポイントになります。

アルバイトから帰宅後はイチジクの植付の続きです。
今日はバローネという品種。
日持ちもするようで、おそらく営業的には中心に据える品種になると思います。

昨日ご紹介した、ブルンスウィックとはある意味で対照的な品種です。
バローネは食べていきなり「美味しい」という感じ。
その前にパカッて割った時に鮮やかな赤い実に驚きます。
当時ブルンスウィックを育てていた私はスーパーでいろんな産地のイチジクを食べてみていたところでした。
これが連戦連勝で。
そんなことで「ブルンスウィック最強!」と思っていた時に現れたのがこの品種です。
ある果樹園の直売所で買いましたが、最初は正直「ちょっと負けたかなー」。
日持ちはするようですが、皮が薄く傷つきやすいので一般にはやはり流通しにくいイチジクです。

私が苗を購入した山陽農園さんでは様々なイチジクを紹介する企画をやられていますが、そこではこの品種が一番人気だそうです。
この品種も乞うご期待です。

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